最近太陽光発電による余剰電力の売却価格が下落してきているのをご存知でしょうか?
太陽光発電の普及により、発電された電力の供給量が増え、その結果売却価格が安くなっているのです。
このままでは、太陽光発電で昼間作った電気のうち、使わなかった分を売ってお得に暮らしたい!と思っているうちに損をしてしまうかもしれません。
そんなあなたに、蓄電池を使って「売る」のではなく「貯めて使う」という方法を、従来の電力売却と比較してお伝えします。
・知っておきたい固定価格買取制度
固定価格買取制度とは、国が太陽光発電を含む再生可能エネルギーを使って発電した電気を、国が定めた固定価格で買い取ることを定めた制度です。
この制度の目的は、再生可能エネルギーの推進で、実際に太陽光発電などが普及しました。
なお、太陽光発電においては、10kWh未満の家庭用発電の場合、家庭で消費した残りの分を固定価格で買い取ることになっています。
2019年には固定価格買取制度がなくなり、電気の価格は変動することになっています。
・国が定める固定価格の低下
固定価格は各エネルギーや供給手段によって分類されており、多岐にわたるのですが太陽光発電による電力の買取価格は継続して下がり続けています。
例:10kWh未満の太陽光発電の買取価格
2015:33円/kWh
2016:31円/kWh
2017:28円/kWh
2018:26円/kWh
2019:24円/kWh
10年後には10円/kWhほどになるのではないかといわれています。
では、このまま買取価格が下がっていくとどうなるのでしょうか。
・蓄電池を使って貯める方がお得に
現在、東北電力での電力価格は18円/kWh程度です。
ここで、単純ですが買取価格の下落がこの18円を下回った場合とそうでない場合をシミュレーションで比較してみましょう。
・電気代シミュレーション
一日の電力の消費量を7kWh、発電量を3kWhとして、お昼に使う電力量を2kWh、余る電力量を1kWhとします。
1.従来通り買取価格が現在の価格を上回っている場合(26円/kWh)
a.そのまま余剰分を売った場合
5kWh×18円-1kWh×26円=64円/日
b.余剰分を貯めて夜に使った場合
4kWh×18円=72円/日
そのまま余剰分を電力会社に売った方が一日当たりの電気代が安くなっていますね。
2.今後の買取価格が現在の価格を下回る場合(10円/kWh)
a.そのまま余剰分を売った場合
5kWh×18円‐1kWh×10円=80円/日
b.余剰分を貯めて夜に使った場合
4kWh×18円=72円/日
余剰分を売らずに貯めて使った方が一日当たりの電気代が安くなりました。
シミュレーションを見ていただいてもわかる通り今後の電力買取価格の下落が続いた場合、蓄電池を利用して太陽光発電を貯めて使った方が一日当たりの電気代が安くなります。
もちろん各家庭によって電気代や使用電力等は異なりますが、この機会に一度「売る」と「ためる」についてご検討してみてはいかがでしょうか。